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アイデアソン:コード・フォー・レジリエンスでイノベーション創出のために技術と災害リスクの専門家が結集

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自然災害の現場に最初に到着するのは、ほとんどの場合、被害を受けたコミュニティの人々である。しかし、災害からの復旧、復興のメカニズムはトップダウン型であることが多く、そのためのツールやプロセスも政府や機関によって構築されている。

防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)が運営するグローバル・イニシアティブ であるコード・フォー・レジリエンス は、自然災害に対するコミュニティのレジリエンス強化に重点を置き、政府機関とコミュニティの間にありうる距離を埋めるべく、災害リスクの専門家と地元の技術コミュニティとの橋渡しを図っている。

2015年3月14-15日に仙台で開催される国連防災世界会議パブリック・フォーラムの会期中に開かれるアジアレジリエンス・フォーラム2015で、コード・フォー・レジリエンスの参加者がアジア各地から集まり、それぞれの経験を共有する。バングラデシュ、インド、インドネシア、日本、パキスタン、ベトナムなど、各国における災害リスク管理当局との関わり方や、国内課題に対処するためのコミュニティ主導型の技術解決策の構築方法などについて議論される予定だ。
 
通信アクセスの向上、ハードウェアの価格低下、そしてオープンデータ化、オープンソース化、オープンイノベーション化の高まりといった新しい動きにより、災害に対する準備、対応、復興に関するデータに対して、地元コミュニティがフィードバックなどの形で関与できる機会が生まれている。
 
コミュニティにとっては、情報へのアクセスが増大し、情報に基づいた意思決定が出来るようになり、コミュニティのレジリエンスの強化につながる。政府やその他の制度面での対応者にとっては、災害への準備や対応のニーズに対する認識が高まり、これまでよりも多くの人が、多大な時間を必要とする情報の収集、管理、分析を担うことができるようになった。

コミュニティのレジリエンスは、2007年にGFDRRが設立されて以降、重要なテーマとなっている。近年、技術の進歩により、危険性や脆弱性に関する情報も含め、自然災害に関する科学的に厳密なデータの生成がローカルコミュニティレベルでも簡単になってきている。

たとえば日本では、地元の地方自治体で作成されたハザードマップが各世帯に配布されている。低・中所得国で災害リスクの高いコミュニティ向けにテキストおよび音声のメッセージ通信を使用して、既存のアナログ通信を補完するデジタル手段を想定することも可能だ。

コード・フォー・レジリエンスは、2014年に8か国で国レベルや地方レベルの災害リスク管理機関、全国的なオープンイノベーション・ムーブメント、民間セクター、大学などと連携して開催した11件のイベントを通じて、このようなイノベーションを設計した。イベントには合計1,000人以上の技術者が参加し、以下のような災害リスク管理に関する70以上の課題が取り上げられた。
  • インド山岳部のヒマラヤ地域で突然の洪水が起きたとき、支援を必要としている巡礼者のいる場所を迅速に特定にするにはどうすればよいか。
  • 沿岸部が津波に襲われた場合、地元住民が最も近い津波シェルターまで安全に行くためにどのようなルートをとればよいか。その場所にいると想定されるすべての人々の命を救えるだけの十分なシェルターが沿岸部に存在しているか。シェルターは津波に耐えるために要求される基準を満たして建設されているか。
  • 河川の水位や降水量の計測と報告ができる水文気象観測機器がない場合、洪水が起こる可能性をコミュニティで評価するためにどのような手段があるか。
2年目を迎えているコード・フォー・レジリエンスでは、上述のような課題に取り組むためのソリューションの構築、検証、適合、実施のための技術とオープンイノベーションの活用を中心として持続可能なコミュニティづくりを目指している。その過程で、技術コミュニティと災害リスク管理コミュニティの間での新たな関係づくりや関係強化も目指している。

3月14-15日に行われるアジアレジリエンス・フォーラム、3月16日に東京で行われる東京大学工学部によって開発されて最近打ち上げられた超小型衛星「ほどよし」からの地理空間データの利用に関するテクニカルワークショップで、コード・フォー・レジリエンスは、パートナーを務める。一連のイベントの結果、コミュニティが新たなデータセットをそれぞれのソリューションに取り入れる機会が開かれ、コミュニティのレジリエンスが向上し、防災面での意思決定の向上にも役立つことが期待されている。


詳細は、特集記事「Building a New Framework for Disaster Risk Reduction」をご覧ください。レジリエンスへの投資に関するインフォグラフィックスも掲載されています。

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