より強靭なアフガニスタンを目指して

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アフガニスタンには多種多様な自然地形がありますが、地域社会はいずれも同様の問題を抱えています。繰り返し起こる深刻な自然災害により、人命、暮らし、財産にたびたび被害が生じているのです。

1980年以降の⾃然災害の被災者数は900万⼈、死者数は2万⼈超にのぼっています。
極端な気象現象や気候変動のために、地域の脆弱性は悪化する一方です。

私たちはまた引っ越しを余儀なくされています。今回は洪水が理由です。去年、干ばつで農業に深刻な影響が及んだために家族全員で村を離れましたが、今回は雨に私たちの家畜を奪われました。
Khalil ur Rehman
カンダハル州南部の農民

しかし、生命と財産の保護に取り組む政府関係者は、リスク管理、災害に対するアフガニスタンの強靭性の向上、より強力なインフラの構築に必要な情報へのアクセス・活用に苦心しています。

そのため、日本政府と防災グローバル・ファシリティの支援を得て、災害の根本原因の分析と地域社会の強靭性向上に関する研修を、世界銀行とそのパートナーが80名以上のアフガニスタンの技術者と政策立案者に提供しました。

研修には、土地、都市、エネルギー、農村開発、防災管理などを担当するアフガニスタン政府の省庁・機関が参加しました。

たとえば農村復興開発省(MRRD)では、政府職員とコミュニティ開発協議会(CDC)が、リスクデータを保管・マッピングするオンラインの地理空間情報システムであるアフガニスタン災害リスク情報ジオノードや重大リスク分野を視覚化するアフガニスタン・リスク・プロファイルを使用して、潜在的な災害と気候のリスクを伴うインフラの特定について学びました。

この新たな知識を得て、省庁職員は災害リスク管理の原則を取り入れた新しいインフラプロジェクトのスクリーニングと設計ができるようになりました。その後、MRRD職員により、4,500以上の地域社会に研修が提供されています。

研修では、災害リスクを十分に把握することによって脆弱なインフラの改善を促せることが実証されました。インタビューを行った25名の受講者のうち、17名が研修後の業務で災害リスク管理を活用しており、その半分以上が日々の業務に新たな知識を直接適用していると回答しています。

気象庁と水・エネルギー省から参加した受講者は、所属省庁が業務手順にジオノードの使用を組み込む計画を立てたと述べていました。

世界銀行はこれらの取り組みをさらに進めるため、継続的に内部人材の専門知識を提供する専用のリソースセンターを、各機関・省庁に設立できないかどうかを検討しています。

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Photo Credit: World Bank
各省庁は災害リスク管理の窓口を設ける必要があります。これがなければ、災害リスク管理がアフガニスタンに根付くことはありません。
研修参加者
カブール

研修の実践を通じて、いくつか分かったことがあります。

第一に、災害リスク管理は政府機関や省庁の投資プログラムにおいてほとんど考慮されていません。

第二に、災害リスクの原則やパフォーマンス評価をプロジェクトの設計・計画に組み込むための指針や取り決めが整備されていません。

そして最後に、政府機関と省庁間の連携がほとんどありません。

リスク情報へのアクセスと管理は、アフガニスタンがより強靭な地域となるための最初の一歩です。同国政府との緊密な連携のもと、以上のような初期段階の取り組みを発展させ、政策に強靭性をしっかりと取り入れ、地域社会と協力して災害から住民をより一層保護するための継続的支援が計画されています。

投稿者

Julian Palma

Urban Development and Disaster Risk Management Specialist (Consultant), Social, Urban, Rural and Resilience Global Practice

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