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2020年5月1日 今週の動き:最貧国に対する債務救済

Le président du Groupe de la Banque mondiale David Malpass. © Banque mondiale デイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁  写真: © 世界銀行

本日、所得水準の特に低い途上国に対する債務救済イニシアティブが開始される。その重要性を強調するとともに、この1週間の世界銀行グループの主な動きをまとめる。

  • 世界銀行グループは、新型コロナウイルス感染症の支援を全速力で進めている。4月に設置されたファストトラック・ファシリティの下、現在、93カ国で新型コロナウイルス感染症関連の保健プロジェクトを支援しており、間もなく18カ国での支援が開始される予定である。進行中の新型コロナウイルス感染症に関するプロジェクトの幅広い取組みについては、こちらのインタラクティブマップで確認可能である。
  • 本日(5月1日)より、IDA借入国が返済猶予を求めた場合、債務返済の一時停止を認める。 3月、クリスタリナ・ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事と私は、国際開発協会(IDA)借入国が新型コロナウイルスの感染拡大への対策に向けた追加の財政支援を提供するために、すべての二国間債権国に対し債務返済の一時停止を認めるよう呼びかけ、2020年IMF・世界銀行グループ春季会合において、世界銀行とIMFの理事、およびG7とG20の財務大臣は、5月1日の開始日を支持した。 G20諸国は、債務返済一時停止イニシアティブの要点を規定した協調行動案に合意した。また、民間債権者にも同様の条件でイニシアティブへの参加が求められた。
  • 本イニシアティブは財政支援に加え、IDA借入国における透明性の向上と、公的部門の財政的コミットメントを完全に開示するという重要な機会を提供する。 国の財政的コミットメントの質を向上させ、より多くの投資を促進するためには、債務と投資の透明性が優先事項である。 世界銀行とIMFは、IDA借入国と協力して、債務の持続可能性と透明性を評価し、債務返済における貯蓄の利用を測定する。
  • 新型コロナウイルス感染症に関する我々のもう1つの重要な対応は、銀行、郵便局、零細企業、およびデジタルを介した現金給付や、利便性や拡張性に優れた地域の取組みなどの、社会的セーフティネットの運用拡大である。 また、各国政府と積極的に協力し、コストが高く、気候に有害な燃料補助金の撤廃あるいは切替えや、食料や医薬品の供給に対する障壁の削減に尽力している。
     
    regional MDBs, virtual call
  • また、我々は今後も他の国際開発金融機関(MDBs)と協調していく。 昨日、MDBsの総裁、ならびにクリスタリナ・ゲオルギエバIMF専務理事とバーチャル形式で会議を行い、新型コロナウイルス対応への支援、共同イニシアティブ、協調融資、所得水準の特に低い途上国への資金流入を最大化する方法について議論した。
  • 先週、世界銀行は本国送金に関する最新の調査を発表した。 報告書は、2020年の世界の送金規模は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行と経済活動の停止による経済危機のため、約20%減少すると予測している。途上国にとって送金は重要な収入源であり、送金を受けた家族は、食料や保健医療をはじめ基本的なニーズを賄えるようになる。しかし、送金コストは高く、200ドルを送金するための世界平均コストは、2020年第1四半期には6.8%の高水準が続いている。平均コストが最も高いのは引き続きサブサハラ・アフリカ地域で、約9%である。我々は、送金経路を確保し、最貧困コミュニティが引き続き必要不可欠なニーズにアクセスできるように力を注いでいる。
  • 最後に、世界銀行グループ職員、コンサルタント、退職者は常に人々を元気づけようとしている。彼らは、世界中のコミュニティにおけるNGOパートナーの活動を支援するため、55万ドルを寄付している。

非常に生産的な数週間だった。しかし、世界、特に所得水準の特に低い開発途上国は景気回復への長い道のりに直面している。

LinkedIn投稿より転載


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投稿者

デイビッド・ マルパス

世界銀行グループ第13代総裁(2019年4月9日~2023年6月1日)

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