モニーク・ブレダー博士は、世界銀行の保健・栄養・人口部門のプラクティスマネージャーとして、技術協力、各種調査、関係機関とのパートナーシップの構築、知見共有を担当するチームを統括しており、具体的には、保健医療サービスの提供、気候変動・保健・パンデミックへの備えなどグローバルヘルスを巡る様々な課題に取り組んでいる。
現職就任前は、世銀内に設置されたマルチドナー信託基金であるGFF(女性と子ども・青少年のためのグローバル・ファイナンシング・ファシリティ)の事務局長として、女性、子供・青少年の生存と健康な生活のために尽力し、GFFの制度設計、事務局立ち上げ、支援対象国の拡大(38か国)を主導した。GFFは、低所得国・低中所得国を対象に、IDA資金を導き出す触媒としての資金支援や技術支援を提供することで、各国が策定・実施する保健計画(支払可能な費用で、質の高い保健医療にアクセスできるようにするためのもの)を支援している。
ブレダー博士は、女性・子供・青少年の健康改善に向けた革新的で優れた投資に強い関心を持っており、リプロダクティブ・ヘルス、保健システムの強化、資金調達、保健医療サービスの提供に関する専門的知見は、アフリカ、ラテンアメリカ、東アジアなど様々な地域で、25年以上にわたって携わったグローバル・ヘルスに関する経験を通じて得られたものである。ブレダー博士は、ラテンアメリカと東部・南部アフリカにおいて、保健システム改革・プライマリヘルスケアのためのプログラム(世界銀行による資金支援を受けたもの)について中心的な役割を果たした。また、ブレダー博士は、英国国際開発省がブラジルで実施した女性の健康・保健財政・経済格差に関する支援プログラムを運営したことがあるほか、ワールド・ビジョン・インターナショナルがインドネシアで実施した一連の母子保健・栄養プログラムで中心的な役割を担った。なお、2015年のGFF設立以前、ブレダー博士は、保健財政と最前線の保健医療のサービス提供にイノベーションを起こすイニシアチブである「保健成果イノベーション・ファンド」を管理していた。
ブレダー博士は、アムステルダム大学で医学博士号、ハーバード大学で国際公衆衛生学修士号を取得したほか、ヨーク大学で保健医療経済学、ロンドンのサイード・ビジネス・スクールで女性とリーダーシップの講座を修了。2子の母。