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アジア太平洋地域における公衆衛生上の緊急事態に合わせた災害リスク管理の調整

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2020?5????????????????????????????????????????????Achmad / ???? 2020年5月、新型コロナウイルス感染症大流行時のインドネシア・ジャカルタの地域医療センター。写真:Achmad / 世界銀行

世界保健機関は今年3月11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を抱える国の数が2週間で3倍に増加したことを明らかにし、コロナウイルスによる初めてのパンデミックを宣言しました。世界中の国々はすぐさま非常事態宣言を出し、国境を閉鎖して危機管理システムを始動しました。それから4週間もしないうちにサイクロン「ハロルド」が南太平洋の4つの島国を直撃し、ソロモン諸島で(フェリー事故により)27人が死亡、フィジー、トンガ、バヌアツの住宅、インフラ、作物も被害を受けました。

このように複数の災害および危機が同時に発生したことで、国の災害リスク管理システムには適応性と柔軟性が必要であり、 医療関連の緊急事態はすでに抱えている脆弱性をさらに悪化させる(その逆もまた然り)ことが浮き彫りになりました。

韓国、シンガポール、ベトナムを含む一部の国は重症急性呼吸器症候群(SARS)および中東呼吸器症候群(MERS)で得た教訓を活かして、新型コロナウイルス感染症の対応にあたりました。 として、これらの国々は災害監視体制および感染症流行警報システムを改善し(シンガポールのDisaster Outbreak Response System Condition(感染症警戒レベル)など)、医薬品や非常用備品の備蓄を行ってきました。

これらの国々から得たもう1つの大きな教訓が、 政府間で連携して医療関連の緊急事態に対応できるよう法的基盤を整備することでした。 これにより政府が緊急事態宣言の発令や渡航・移動制限の実施など重大な決断を迅速に下せるようになります。

今では大半の国がデジタルの新型コロナウイルス監視ダッシュボードを導入し、感染者の追跡や位置情報付きの局所的流行に関するデータおよび情報を提示しています(インドネシアおよびミャンマーのプラットフォームなど)。しかし感染率、接触者、感染のホットスポットの追跡だけでは十分とは言えません。新型コロナウイルス感染症データと、自然災害データおよびリスク情報の統合が限られているからです。

各国が準備態勢を強化するうえで次の重要なステップは、新型コロナウイルス感染症の疫学モデルと自然災害のリスクモデルが交わる部分を特定することです。 

これが、地域およびコミュニティレベルでの災害への関心および災害に対する準備態勢の強化、積極的な危機管理の促進(医療および危機管理サービスの需要急増に備えた計画など)、地域の安全な避難に関する政策および指針の改善につながります。例としてインドネシア政府は、感染流行リスクを軽減および管理する特別な対策と手順を定めた新型コロナウイルス感染症影響下での津波避難ガイドを公表しています。

こうした早い段階での教訓から、医療関連の緊急事態に対応できるよう災害リスク管理システムを調整する際に検討すべき点として以下の5点があげられます。

  1. 災害リスク管理の法令、戦略、政策の見直し。政府間連携、および公衆衛生に係る留意事項の災害管理法・政策への統合(その逆も同様)を進め、災害リスク管理戦略・計画にマルチハザードアプローチを採用。
  2. マルチハザードアプローチを用いた、国のリスク分析およびインパクトに基づくシナリオの更新。疫学的予測モデルを意思決定支援プラットフォームに統合することが可能。これによりマルチハザードリスクモデルを更新し、リスクが同時発生した場合に影響を受ける地域を特定することができ、政府は特に脆弱なコミュニティに的を絞ることができます。
  3. 既存の自然災害の早期警報システムを土台に、医療関連の緊急事態警報の統合。医療監視と自然災害情報を統合するマルチハザードの早期警報システムプラットフォームのオープンデータ化、および保健省と国の災害管理組織との間の強力な他機関連携に向けたロードマップを作成。
  4. 医療関連の緊急事態を統合するべく、コミュニティに根差した災害準備プログラムを拡充。コミュニティごとのプログラムに医療関連の緊急事態に対する準備を組み込み、感染者の追跡、救援物資の配布、公共の安全を支援。
  5. 医療関連の緊急事態に合わせた危機管理システムの調整。緊急時対応計画および避難手順を更新し、救援や復旧のための物資およびサービスの供給ルートが途絶しないよう徹底。

ワクチンが開発され世界レベルで投与されるようになるまで、新型コロナウイルス感染症の多大な影響が続くでしょう。こうした状況の中で、私たちは災害および複数リスクをより創造的に管理するよう迫られています。 

医療関連の緊急事態に合わせた災害リスク管理システムの調整に関するテクノカルノートは、防災グローバル・ファシリティの資金協力を得て作成されました。

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Knowledge Note:


投稿者

Jian Vun

Senior Disaster Risk Management Specialist, World Bank

Jolanta Kryspin-Watson

Lead Disaster Risk Management Specialist and Regional Coordinator, East Asia and the Pacific

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