「協調することと、その場に最もふさわしく行動することを学んだ者が繁栄を続けてきた」-これは、相互に結びついた世界における進化のプロセスについてチャールズ・ダーウィンが残した有名な一節だ。1年前のこの時期に、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)を 構成するパートナー達は、 3カ年の試験的イニシアティブに着手し、協調的プラットフォームを設立して、コンセンサスの構築および助言提供に加え、最も必 要とされる地域において、ファイナンスが成立し得る「バンカブル」なインフラ案件の組成にコミットした。まだ進化の途上にはあるが、ここで一度 、GIF のこれまでの歩みについて振り返り、今後の展開について考えてみたい。
設立後1年間に、インフラ分野における協調プロジェクト準備の難しさについて多くの教訓が得られた。中でも注目に値する3つの教訓を以下に示す。
GIFプラットフォームは、国際開発金融機関、民間の投資家や金融機関、途上国・新興国政府による取り組みの調整を行っている。こうした目標は、単独の機 関だけで達成できるものではなく、その緊急性はかつてなく高まっている。だからこそGIFが設立されたのであり、中でも、助言業務の経験豊富な人材を備え たテクニカル・パートナーのサービスに対するニーズは引き続き大きい。一方、短期間に成果を示す必要のあるファンディング・パートナーからの緊急性も高 い。
アドバイザリー・パートナーは、保険会社、ファンド・マネージャー、商業銀行等で構成され、運営資産総額は約12兆ドルに達し、民間セクターの声を代表す るという意味でも同様に重要な役割を担っている。その役割は、リスクを低減し、長期投資を行う民間投資家にとって魅力ある「バンカブル」なプロジェクトと するためのフィードバックを提供することにある。
インフラ・プロジェクトは、準備に膨大な時間がかかるものだが、我々はこれまでの協力を通じて確かな基盤を構築しており、3カ年のパイロット期間に15~20件のプロジェクトを支援するという共通の目標を達成できると考えている。
協調は複雑だが実りも多い
GIFプラットフォームは、協調関係によって構築されており、その点が他のプロジェクト準備ファシリティとの違いだ。協調的プラットフォームを機能させる のは複雑な作業ではあるが、成果を見ればその意義は明らかだ。この1年間、GIFでは35カ国における46件のプロジェクトについて審議してきた。計画助 成金(プランニング・グラント:グラント1件につき最大15万ドル)が、以下の4カ国について承認済みである。
 
- ブラジル:物流インフラ・プログラム
- コートジボワール:港湾・物流インフラ総合投資プログラム
- エジプト:内陸貨物集積地と鉄道バイパス(新設)
- ジョージア: 深水港(新設)
上記をはじめ、最貧困層の差し迫った社会・経済的ニーズに環境的に持続可能な形で応えるインフラ・プロジェクトを通じ、GIFは、 国連持続可能な開発のための2030アジェンダの達成と 国連気候変動枠組み条約締約国の取組みに貢献する事ができる。
協調の明るい将来
GIFの今後の目標は、以下の抜粋の通り、意欲的のものだ。
- 新興国・途上国の代表をガバニング・カウンシル(理事会)に迎え、援助受入国の視点共有を図る。
- 初期段階にある議論を実現可能なプロジェクトに進化させ、引き続き多様なプロジェクトパイプラインを構築する。
- パイロット資金の補充およびGIF拡大に結びつくよう、コンセプトの実現可能性を証明する。
- プロジェクト準備にとどまらず、下流支援枠の設立により、補助的資金の提供および信用補完機能を通じ、民間資金を動員してインフラ資金の不足を補う。
詳細は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.worldbank.org/ja/news/feature/2015/08/03/gif
グローバル・インフラストラクチャー・フォーラム2016開催のお知らせ:
国際開発金融機関(MDBs)、開発パートナー、G20、G24、G77各国のリーダーが集まり、世界的なインフラ整備向上のための国際協調メカニズムの拡大について話し合います。
ライブ配信:日本時間4月16日(土)午後11時(米国東部夏時間:同日午前10時)
ハッシュタグ:#InvestInInfra
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