「持続可能」や「包括的」といった言葉は、新型コロナウイルス感染症への対応や世界的流行からの復興に向けた積極的な介入に対し、共通して(しばしば漠然と)使われている。「包括的な復興」とは何を意味するのか。ここでは、成果連動型融資を通じた社会的企業による取り組みを考察する。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行発生時、ほとんどの政府が不意を突かれた状態だった。各国政府はどのような対策が効果的であるかわからないまま、都市封鎖や厳重な規制など最善と思われる対策に奔走した。一方で、地域社会の人々や各世帯は、生活を維持するために食料や水、情報、保健などのサービスを必要としていた。そのような人々を救ったのが、近隣のつながりや地域の組織だった。しかし、そのような地域組織の多くが社会的企業であることはあまり知られていない。
新型コロナウイルス感染症がアジア、アフリカ、そして世界各地で猛威を振るう中、社会的企業は、寸断されたサプライチェーンに対処するため、既存のノウハウやネットワーク、影響力を活かし、需要を見極めて家庭、地域、地方自治体をつなぐ役割を担った。その活動は食料品やマスク、衛生用品の配布から地域食堂の運営、 病院への搬送など多岐にわたる。ほかにも、インフォーマルな居住地域の入口に手洗い場を設けたり、 経済危機に対して最も脆弱な世帯や非正規労働者に現金を給付するような活動もある。
インドのデリーを拠点に積極的な救援活動を行った、グーンジという社会的企業を例に挙げてみよう。グーンジはボランティアやパートナー組織による幅広いネットワークを活かし、インド全土の20万世帯以上に食料を届けた。こうしたグーンジのような事例は、世界中で数多くある。インドの農村地域の生活必需品へのアクセス改善に取り組むロジスティモのサービス「タスカー」は、新型コロナウイルスの流行下においても医薬品や日用消費財の配達を行うための承認を得て、インドの農村部においてサービスを継続させている。ガーナやルワンダでは、ジップラインがドローン(小型無人飛行機)を使用し、個人用の防護