2030年までに持続可能な開発目標(SDGs)を達成するには、年4兆5,000億ドルに上るEMDE諸国への投融資がさらに必要だと言われています。国際投資家、国際開発金融機関、そして政策担当者が、現在の世界の喫緊の課題に対処しつつ、EMDE諸国の巨大な投資機会を解き放つべく努力を重ねています。世界銀行グループが開設した無料のオンラインコース「新興国・途上国への投融資を促進する:Unlocking Investment and Finance in Emerging Markets and Developing Economies (EMDEs)」に登録し、この国際的な取組みとこれを実現するための画期的な手法を学んでみませんか。
本コースは、韓国政府の強力な支援の下、専務理事兼世界銀行グループ最高財務責任者(CFO)室、開発金融副総裁室、そしてオープンラーニングキャンパス(OLC)が中心となり実施しています。
求められる行動
本コースでは、2030年までにSDGsを達成するために、世界で機関投資家が有する100兆ドルの資産を含め、国際、国内、官民といったあらゆる形態の投融資が、どのように動員されているのかについて学ぶことができます。
まず世界的な問題や機会の概要を学び、その後この広範なトピックを4つの視点に沿って分け、それぞれに関連する行動が必要な事項を分かり易く解説するなど、実用的な内容となっています。
第一に、国際投資家・国内投資家が持続可能な投資慣行をどのように取り入れ、EMDE諸国への投資を増大することができるかについて考えていきます。この一環で、投資リスク削減と開発のための持続可能な投資市場の構築への支援での、国際開発銀行や開発金融機関との連携についても検証します。
第二に、EMDE諸国政府による、資金確保のための戦略の強化について学んでいきます。ここでは、各国政府に対し、国際レベル、国内、官民に関わらず開発金融のあらゆる潜在的な資金源を評価するにあたり、統合的な資金調達枠組みを用い体系的なアプローチを選択するよう提言します。
第三に、国際開発や国の開発の専門家は「開発資金の最大化(MFD)」や「市場の創出」といった新たな資金調達の革新的なアプローチについて学びます。
最後に、規制担当者や規制監督者をはじめとする国際・国内の金融システムの関係者が担う、持続可能かつ包摂的な金融市場の構築における役割について学びます。
コースの特徴
本無料オンラインコースの大きな特徴は以下の5点となっています。
EMDE諸国への投融資の世界的な有識者や専門家から学ぶ。本コースでは、開発金融の最先端で活躍する、5人の世界銀行グループの副総裁や国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事、欧州復興開発銀行(EBRD)のスーマ・チャクラバルティ総裁などからも学ぶことができます(スピーカーの一覧はこちら)。
投融資のトレンド、イノベーションと結果に関する最新の情報にアクセス。最新の投融資戦略のリソース、診断ツール、投機機会とトレンドの分析と統計、開発金融の目標達成までの進捗状況などにアクセスすることができます。
世界の多くの投資、金融、開発そして政治の専門家と連携。本コースでは、世界の投資、金融、政策そして開発分野のプロフェッショナルと連携し問題の解決に取り組むためのグローバルなプラットフォームを提供します。
投資家や開発のプロフェッショナルとのグローバルなネットワークを構築。コース修了の際に、参加者は国際投資家や金融のプロフェッショナルのオンライン(LinkedIn)のネットワークに招待されます。
世界銀行グループのedX修了証を取得。修了証を取得し、LinkedInのプロフィールやレジュメに追加することができます。
成果
これまでに193の国や地域から1万6,000人以上が本コースに登録しています。このコース以前のやはり韓国政府が支援した2つのコースと合わせると、2015年以降、一連の3つのコースに世界中から合計で約6万5,000人が登録したことになります。コースの感想や本コース第一週目の学習成果などについては、こちらからダウンロードできます。
開発に関する学習:多くの参加者が集う学習の今後
世界銀行グループのオープンラーニングキャンパス(OLC)は開設以来、以下の分野で世界で最先端の学習機会を提供できるよう取り組んでいます。
- 国際開発教育。開発の有効性の向上と開発のための資金と知識の動員を目指す。
- 世界、地域、国、地方の開発課題と、世界銀行グループとパートナーがこれらに対処するうえで用いるアプローチ及びプログラムへの認知度の向上。
- 世界、国、現地レベルの官民パートナーが集い彼らをつなぐ知識交換と学習のためのオンライン・プラットフォームを構築。世界銀行の2大目標と持続可能な開発目標の達成を支える投融資と知識の共有を促進。
こうしたなかで、このMOOCは、オンライン研修のパワーと可能性を示す良い例となっています。我々は、今後もこうしたプログラムを通し、世界レベル・現地レベルで我々の関与を深めまた拡大していきたいと考えています。
本コースは既に開講しており、コースの最終日は2019年7月の第一週目となっています。今からでもコースに登録し各種教材を活用していただくことができますが、修了証を取得するための期間は6月20日で終了しています。
次回のMOOCでは、仕事の質の変化とこれに伴う大規模な破壊への各国の最善の備えという極めて重要なテーマについて考えます。世界銀行グループは先日、世界開発報告を発表しこれら事象に関する分析結果を紹介しています。この喫緊の課題について学ぶオンラインコース「仕事の将来:破壊に備える(The Future of Work: Preparing for Disruption)」に是非ご登録ください。
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