「防災」とは災害リスクの軽減や管理のことであり、我々の規範となる言葉となりました。災害リスクと文化遺産管理の専門家グループとして来日した我々の活動の間、ニックネームや集合写真撮影時の掛け声にもなりました。この言葉は、日本が深く学んできたことの象徴でもあります。災害は有史以来、日本の歴史の一部でした。1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災と津波は、日本が「ビルド・バック・ベター」をモットーに復興した最近のほんの二つの事例に過ぎません。11月5日は津波防災の日であり、「
防災」ほどことの重要性を適切に表している言葉は他に思いつきません。
自然災害が頻発する環境において、気候変動がこのような災害の破壊度や頻度を増す目に見える現実であることを日本は認識しています。日本はこの脅威が市民、経済やインフラのみならず、 自らの文化遺産をも脅かしていることをよく知っています。
無形文化財も、復興プロセスにおいて人々に援助の手を差し伸べ、過去から確実に学ぶという点において同じくらい重要です。例えば、世界で古くから伝わる地元の知恵を前に、自らに問いてください: 我々は先祖の忠告に耳を傾けているのか?
その点、日本は世界と共有できる重要な知見を持っており、今年9月の数週間、我々のグループは「文化遺産と危機管理」国際研修(ITC)の一環として、その専門性に触れる機会に恵まれました。
立命館大学歴史都市防災研究所が主催するITCは、今年100周年を迎えたことを記念してシンポジウムを開催し、五大陸26カ国から専門家が集いました。同会合はお互いの経験を共有する機会となり、それぞれが有する文化遺産の種類や規模に違いがあっても、全員同じ災害の脅威にさらされていることが明らかとなりました。お互いのハザードマップをつなげて、同じ課題を共有し、お互いの経験から学ぶことにより、自国の遺産や、それぞれの文化の独自性を形づけるものを守ることができることに気づかされました。
目まぐるしい都市化が進む中、 都市遺産を災害リスクから守ることは災害に強い都市作りに欠かせません。 全ての都市の遺産は、全ての国において人々のアイデンティティを形成します。災害後の再建において、現地の特徴と地域の保全を復元することは必須であり、事前準備やリスク緩和計画は、かけがいのないものが失われないように、文化遺産を考慮して計画されなければなりません。考古学が遺跡だけのことではなく、それを創り上げた人々のことであるのと同様に、 文化遺産とは、その文化と自らを重ね合わせる人々のことであります。
文化遺産は、災害によってもたらされる被害のみならず、災害後に誤って評価されるリスクを抱えているという面において、特に災害に対して脆弱 であります。例えば、歴史的建造物は、新しい建造物とは異なった反応をするので、今日の技術者は災害に見舞われた歴史的建造物がどのような動きをするか理解しきれない場合があります。初期の緊急対応では、もちろん生命を救うことに重点が置かれますが、その後は、専門家が文化遺産を守るための措置を講じて、重要な歴史的レガシーが永遠に失われないよう努めなければいけません。
我々の声は届いています。「 仙台防災枠組み2015-2030」は、文化遺産を災害から守らなければならないと明確に述べています。また自然災害のみならず、 シリア、 マリ、 アフガニスタンなどで起こっている、増え続ける人的遺産破壊に対して、国際社会は抗議の声をあげています。
ユネスコ、 イコモスや ICCROMなど、いくつもの国際組織によって支持されているR-DMUCHの活動のおかげで、専門家のネットワークが世界中に広がっています。彼らは、ほとんどの国では別々に展開する災害リスク管理と文化遺産保護という二つの分野をつなげる努力をしています。ITCは、このネットワークをさらに広げる機会となる、素晴らしい活動です。
世界銀行では、 日本・世界銀行防災共同プログラムと 東京開発ラーニングセンターの協働により、主要な開発課題における日本の知見を途上国とつなげる活動を行っています。 世界銀行東京防災ハブは現在、日本の専門家の協力の下、災害に強い文化遺産にするための対策作りに取り組んでいます。
限りなく不確かな未来を前に、歴史的都市の遺産保護計画は災害リスク計画に適応させなければなりません。次世代のために歴史的レガシーを保存することは、都市をさらに災害に強くするための重要な手段です。
自然災害が頻発する環境において、気候変動がこのような災害の破壊度や頻度を増す目に見える現実であることを日本は認識しています。日本はこの脅威が市民、経済やインフラのみならず、 自らの文化遺産をも脅かしていることをよく知っています。
無形文化財も、復興プロセスにおいて人々に援助の手を差し伸べ、過去から確実に学ぶという点において同じくらい重要です。例えば、世界で古くから伝わる地元の知恵を前に、自らに問いてください: 我々は先祖の忠告に耳を傾けているのか?
その点、日本は世界と共有できる重要な知見を持っており、今年9月の数週間、我々のグループは「文化遺産と危機管理」国際研修(ITC)の一環として、その専門性に触れる機会に恵まれました。
立命館大学歴史都市防災研究所が主催するITCは、今年100周年を迎えたことを記念してシンポジウムを開催し、五大陸26カ国から専門家が集いました。同会合はお互いの経験を共有する機会となり、それぞれが有する文化遺産の種類や規模に違いがあっても、全員同じ災害の脅威にさらされていることが明らかとなりました。お互いのハザードマップをつなげて、同じ課題を共有し、お互いの経験から学ぶことにより、自国の遺産や、それぞれの文化の独自性を形づけるものを守ることができることに気づかされました。
目まぐるしい都市化が進む中、 都市遺産を災害リスクから守ることは災害に強い都市作りに欠かせません。 全ての都市の遺産は、全ての国において人々のアイデンティティを形成します。災害後の再建において、現地の特徴と地域の保全を復元することは必須であり、事前準備やリスク緩和計画は、かけがいのないものが失われないように、文化遺産を考慮して計画されなければなりません。考古学が遺跡だけのことではなく、それを創り上げた人々のことであるのと同様に、 文化遺産とは、その文化と自らを重ね合わせる人々のことであります。
文化遺産は、災害によってもたらされる被害のみならず、災害後に誤って評価されるリスクを抱えているという面において、特に災害に対して脆弱 であります。例えば、歴史的建造物は、新しい建造物とは異なった反応をするので、今日の技術者は災害に見舞われた歴史的建造物がどのような動きをするか理解しきれない場合があります。初期の緊急対応では、もちろん生命を救うことに重点が置かれますが、その後は、専門家が文化遺産を守るための措置を講じて、重要な歴史的レガシーが永遠に失われないよう努めなければいけません。
我々の声は届いています。「 仙台防災枠組み2015-2030」は、文化遺産を災害から守らなければならないと明確に述べています。また自然災害のみならず、 シリア、 マリ、 アフガニスタンなどで起こっている、増え続ける人的遺産破壊に対して、国際社会は抗議の声をあげています。
ユネスコ、 イコモスや ICCROMなど、いくつもの国際組織によって支持されているR-DMUCHの活動のおかげで、専門家のネットワークが世界中に広がっています。彼らは、ほとんどの国では別々に展開する災害リスク管理と文化遺産保護という二つの分野をつなげる努力をしています。ITCは、このネットワークをさらに広げる機会となる、素晴らしい活動です。
世界銀行では、 日本・世界銀行防災共同プログラムと 東京開発ラーニングセンターの協働により、主要な開発課題における日本の知見を途上国とつなげる活動を行っています。 世界銀行東京防災ハブは現在、日本の専門家の協力の下、災害に強い文化遺産にするための対策作りに取り組んでいます。
限りなく不確かな未来を前に、歴史的都市の遺産保護計画は災害リスク計画に適応させなければなりません。次世代のために歴史的レガシーを保存することは、都市をさらに災害に強くするための重要な手段です。
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