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持続可能な開発目標(SDGs)アトラス2020年版:創造的ビジュアルを用いた事例紹介と分析

世界銀行は本日、「持続可能な開発目標(SDGs)アトラス2020年版」を発表した。今年のアトラスはウェブ版として発表され、インタラクティブな語りかけと創造性に富んだデータ視覚化を通じて、持続可能な開発目標の進捗状況を分かりやすく説明している。

SDG Atlas homepage image

 

主な傾向への理解を深める

SDGsは、貧困の削減、飢餓の撲滅、教育アクセスの拡大、ジェンダー平等の達成、気候危機への対応等、世界で最も困難な課題の多くに取り組む世界規模の活動の指針となるよう設定されている。その進捗状況を把握し行動の方向性を定めるためには、主要なSDGの指標と傾向への理解が不可欠であり、アトラスはその理解を深めることを目的として作成されている。そして今回の2020年版では、17の各ゴールへの理解に役立つ新しくクリエイティブな手法を駆使している。 

専門家の見識を活かして

アトラスは、世界銀行のテーマ別専門家、データ科学者、統計担当者に加え、データ視覚化デザイナーで構成されるチームが、その見識と専門知識を駆使してとりまとめている。世界銀行はSDGsのモニタリングや進捗状況のより正確な把握に向けてパートナー国や国連機関と共同作業を進めているが、こうした取組みなしには、本アトラスが完成することはなかった。

創造性に富んだビジュアルを駆使した新しい事例紹介

今年のアトラスは語りかけのアプローチを用い、各ゴールの中の特定のターゲットについて掘り下げ、SDGs達成に向けた傾向を明らかにしている。また、進捗状況の測定方法についても、いくつかのゴールを例に、コンセプトを説明している。さらに、データが確保されている場合には、新型コロナウイルス感染症の世界的流行がSDGsや傾向にどういったインパクトをもたらすかについて明らかにしている。

さらに今年のアトラスには、SDGsについて理解するためのインタラクティブな機能が加えられている。例えば、格差是正を目指すゴール10を取り上げた章では、複雑な概念である所得格差について説明するために、動きを加えた図表と平易な言葉を使った説明で、様々な国の事例を紹介している。

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SDG 10 - reduced inequalities

下のビジュアルは第3章「すべての人に健康と福祉を」のもので、所得グループ別や国別に40年間にわたるはしか予防接種の傾向を分かりやすく示している。

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第4章「質の高い教育をみんなに」では、通常のグラフに視覚的にわかりやすいデザインを加えたモザイク図とすることで、「学習貧困」について相対的・絶対的傾向を見比べることを可能にしている。

第7章「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、夜間の衛星画像により、同じような人口でも地域によって光出力がどれほど異なるか、その背後にある電力アクセスの格差を比較できるようになっている。

Image
Countries that can afford clean energy

第14章「海の豊かさを守ろう」では、大陸ではなく大洋に着目した世界地図を使い、サンゴ等、存続の危ぶまれる海洋生物の分布を分かりやすく示している。

Life under water map

これらは、アトラス2020年版に含まれるビジュアルと事例紹介の一部にすぎない。アトラスのデータは、世界銀行の世界開発指標に収録されたデータを用いているほか、世界各地の科学者や研究者による新しいデータについても分析を行っている。

アトラス最新版が読者の興味を引く有益な資料として、SDGsの達成に向けた進捗状況を知り、理解し、視覚を通して把握しようというきっかけになれば幸いである。

 

本アトラスは、世界銀行グループの持続可能な開発目標のためのパートナーシップ・ファンド(SDGファンド)からの支援で作成されている。


投稿者

Haishan Fu

Chief Statistician of the World Bank and Director of the Development Data Group

Umar Serajuddin

Manager, Development Data Group, The World Bank

Divyanshi Wadhwa

Data Scientist, Development Data Group, World Bank

Matthew Welch

Program Manager, Indicators and Data Services, Development Data Group, World Bank

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