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2020年4月3日 今週の動き:さらなる前進

??: Simone D. McCourtie/???? 写真: Simone D. McCourtie/世界銀行

世界銀行グループは、途上国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応力を高め、社会・経済の回復までの時間を短縮できるよう取組みを進めている。最も深刻な打撃を受ける懸念が大きいのは、所得水準の特に低い途上国や脆弱な国である。そこで世界各地で業務に当たる我々のチームは、進行中の危機への対応において、国・地域的なソリューションに重点を置いている。

次にこの1週間の世界銀行グループの主な動きをまとめる。

  • 我々は、各国が新型コロナウイルス感染症の拡大を減速または阻止できるように引き続き広範かつ迅速な取組みを進めており、現在65カ国以上で保健医療プロジェクトを実施中である。
  • 新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる悪影響は保健面にとどまらず、世界規模の深刻な景気後退を覚悟しなければならない。国際金融公社(IFC)と多数国間投資保証機関(MIGA)を含めた世界銀行グループは、各国がパンデミックによる人々の健康への直接的影響に対応し、経済の回復を促進できるように、今後15カ月間に最大1,600億ドルを新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に投入する用意がある。より広範な経済プログラムは、回復までの時間短縮、成長の環境整備、中小企業の支援、貧困・脆弱層の保護を目的に進められる。
  • 我々は、国際開発協会(IDA)による譲許的なクレジットと贈与を大幅に増加して提供するなど、所得水準の低い国を重点対象とする支援プログラムを通じ、強力かつ大規模に対応していく。危機に当たり、多くの資金を前倒しで提供することにより、IDA借入国に多額の資金を配分できるようにする。
  • 世界銀行理事会は4月2日(木)、新型コロナウイルス感染症対策専用のファストトラック・ファシリティの下で、25カ国を対象に初の緊急保健医療支援を承認した。

 

World Bank’s Board of Executive Directors

 

  • 法務担当チームと各国の現地事務所による尽力の下、4月3日(金)までに11件の合意文書に調印が行われ、3件は既に発効済みと宣言されている。これらの件数は、数日内に60件を上回る見込みであり、我々が効果的な対応のために不可欠と考える幅広い取組みが実現する。新たな枠組みの下、二国間・多国間ドナーとの協調融資を通じて迅速な規模拡大が可能となる。
  • 3月17日のファストトラック・ファシリティ承認以降、IFCは5億4,500万ドルに上る貿易金融470件をコミットしており、その内訳は54%が脆弱な低所得国、29%がサブサハラ・アフリカ地域と中東・北アフリカ(MENA)地域に対する支援となっている。
  • 世界銀行は、新型コロナウイルス感染症関連の医薬品等の供給業者と協力して、予想される総需要規模の把握・共有を進めると共に、各国による医薬品や医療機器の調達を支援するため効率的な手順を策定している。
World Bank

 

  • 4月2日(木)、ルワンダのカガメ大統領と電話で会談し、新型コロナウイルス感染症がルワンダおよびサブサハラ・アフリカ地域の保健・経済にもたらす悪影響と、世界銀行グループの支援のあり方について話し合った。
  • 近日中にエチオピアのアハメド大統領、ケニアのケニヤッタ大統領をはじめとする世界各国の首脳と、各国によるパンデミック対策を世界銀行グループがいかに支援できるかについて議論する予定である。
World Bank

 

  • 3月31日(火)、20カ国財務大臣・中央銀行総裁の特別電話会議の場で私は、所得水準が最も低い国による公的債権の一切の返済について延期を認めるよう、 債権国に強く呼びかけた。返済の一時停止は5月1日からを想定しており、各国によるパンデミック対策に対する世界銀行と国際通貨基金(IMF)からの大規模な支援プログラムに不可欠な流動性が新たに追加されることになる。
  • 返済の停止期間中に世界銀行とIMFが、債権国、借入国、市民社会組織との協議や働きかけを通じ、所得水準が最も低い国々の債務の持続可能性の見通しを見極め、場合によっては債権の純現在価値の削減や民間金融機関の参入を図ることも可能だ。
  • IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事と私は、4月17日にバーチャル形式で開催予定の春季会合において各国の総務が集まる合同開発委員会の場で、IDA債務の削減を求める呼びかけの承認を求める。

政府の担当者や実施パートナーとの話し合いをすべてバーチャルに行わなければならない中、新型コロナウイルス感染症対策に貢献している世界銀行グループのすべての職員に感謝の気持ちを表明したい。パンデミックの拡大を抑え込み、各国の対応力を強化するためには、迅速かつ断固な行動をとることが重要である。

LinkedIn投稿より転載

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投稿者

デイビッド・ マルパス

世界銀行グループ第13代総裁(2019年4月9日~2023年6月1日)

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