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新たな気候変動行動計画に寄せられたコメント

Esthelle Chapron est l'une des 3 000 volontaires formés qui évacuent les gens et sauvent des vies lorsque des catastrophes naturelles frappent Haïti. Photo prise à Solino, Port-au-Prince. © Vincent Theodore/Banque mondiale Esthelle Chapron est l'une des 3 000 volontaires formés qui évacuent les gens et sauvent des vies lorsque des catastrophes naturelles frappent Haïti. Photo prise à Solino, Port-au-Prince. © Vincent Theodore/Banque mondiale

世界銀行グループは先般、新たな気候変動行動計画へのコメントを募集し、理事会に提示済みの、同計画についてのスライド資料をブログに掲載した。同資料では、気候対策目標と開発の統合、経済の主要セクターにおける脱炭素化の必要性に加え、気候対策をすみやかにかつ地球規模で進めるべき理由を説明している。 さらに、各国による気候変動対策の支援に当たり、雇用創出、包摂性、公平な移行を実現するなど、人々を中心に据えて進めていくつもりであることも示した。

ブログで資料を共有したところ、様々な言語で500件以上のコメントが寄せられた。

「世界各地から時間を割いて考えを伝えてくれたすべての個人と機関に感謝を伝えたい。コメントでは、気候変動をもたらした責任がほとんどない最貧困層が特に深刻な影響を受けることが多い事実など、重大な懸念が表明された。」

いくつかのコメントは、洪水など、気候変動により、既に発生している極めて重大な影響を挙げ、このように頻度と強度の増した異常気象による最貧困層への影響を強調していた。リサーチの結果、世界全体で洪水のリスクにさらされている人の圧倒的多数(89%)が低・中所得国に暮らしていることがわかっている。 

実際、我々の推計では、気候変動に対処しないでいると、2030年までに新たに1億3,200万人が貧困状態に陥りかねない。各国、企業、そして我々のような機関に気候変動対策の強化が呼びかけられているのには多くの理由があるが、こうした貧困層の増加も理由の一つであり、既に途上国における気候対策の出資者として最大の国際機関である世界銀行グループが新たな気候変動行動計画を通じて取り組みを強化していく理由でもある。

世界各地で既に実に多くの人が深刻な影響を受けている中、気候変動への適応の優先順位をどのように決定するのかもっと明確に示してほしいとする声も数多く寄せられた。世界銀行は気候対策資金の少なくとも50%を適応と強靭性強化に充てることを発表している。 重要な決定ではあるが、我々の取組みは資金提供にとどまらない。適応がもはや個別の投資だとみなされることがないよう、各国と「政府一体」型アプローチで取り組んでいるのだ。  個別ではなく、気候リスクをすべての予算編成と計画立案に取り込むことにより、担当省庁が強靭化措置を投資の計画や実施に取り入れやすくすることが目標だ。

寄せられたメールやコメントではまた、森林、エコシステム、生物多様性など自然界の保護を加速する必要性も強調されていた。こうした分野での取り組み強化を望む声が多いことは我々も認識している。二酸化炭素の吸収と、高潮、洪水、干ばつに対する環境面の強靱性強化の両面で、自然資産を活用したソリューションが重要な役割を担うことになるだろう。沿岸部や都市部の湿地帯、サンゴ礁、マングローブへの投資など、我々のプロジェクトの多くは既に自然資産を活用したものとなっているが、取組みを大幅に強化していく予定だ。

また、再生可能エネルギー普及の取組み強化や経済の脱炭素化に向けた各国の取組みの加速を求める声も寄せられた。エネルギー・セクターでは、再生可能エネルギーに多額の投資を行っていると同時に、石炭など化石燃料からの移行や、脱炭素化に伴い代替となる雇用の創出に大きな問題を抱える国々を支援している。 新たな石炭火力発電所には2010年以降、資金を提供していないし、稼働中の石炭火力発電所への支援の計画もなく、2019年には石油・ガス分野の上流部門への投資を打ち切った。新たな行動計画では、パリ協定の目標に沿った形での資金提供を表明している。他にも、エネルギー、運輸、製造、都市、農業、食料、水、土地利用などのセクターに一層の力を注いでいく。いずれも、世界の温室効果ガス排出の大部分を占め、気候変動による深刻な影響に直面し、かつ開発の鍵となるセクターだ。

こうしたセクターにおける持続可能性強化に取り組む国々を支援するには、莫大な資金が必要となり、世界銀行グループ単独ではまかないきれない。そこで、民間セクターからより多くの資金を動員する必要が生じる。そのためには、投資環境を改善し、従来からの投資家の力を借りて国レベルの気候変動対策のために新たな民間資金源の動員を奨励する必要がある。また、低炭素型でより持続可能な投資のための新たな資金源の促進に向け、様々な政策改革を通じた「環境に配慮した」金融セクターづくりも進めている。

過去5年間に、気候変動対策を開発に取り入れるため取組みを強化してきた。  NDC支援ファシリティを通じ、各国政府と緊密に協力しその国が決定した貢献(NDC)の達成を目指している。気候変動への配慮は我々のプロジェクトや戦略に取り入れられており、国別気候・開発報告書などの新たな診断ツールを用いて、こうした取り組みを一段と加速させていく。今後5年間の気候対策資金は最初の気候変動行動計画(2016~20年)の際の投資額830億ドルを大きく上回る予定だ。これは、貸出全体が増える可能性が高いからだけでなく、我々のコベネフィット型の気候変動対策を新たに35%に設定したからでもある。

以上は、我々に寄せられた膨大な数のコメント、メール、アイデアに対する簡潔な回答にすぎないが、貴重なインプットに対し改めて感謝を伝えたい。若者、企業、イノベーター、市民社会グループなど、実の多くの方が、システムの変更推進や、植林や教育など個々の取組みを通じてなど、ためらうことなく関わってくださる準備があることは大きな励みだ。

「気候変動は私たちの世代の歴然たる課題である。経験したことのない1年だったが、全ての人のためにより持続可能で強靭かつ包摂的な世界を構築する機会が開かれている。」

この目標を達成するには共同でのグローバルな努力が必要となる。新たな気候変動行動計画を通じ取組みを強化していくので、今後も引き続き注目していただきたい。


関連項目

新たな気候変動行動計画へのコメント募集


投稿者

Ethiopis Tafara

Vice President & Chief Finance, Risk, Legal and Sustainability Officer

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